虹橋の先へ
(でも、そういえば)
その名前には聞き覚えがあった。
ジェイダの、そしてロイ自身がもう一人の兄と慕う人物。
どうりで、どこか懐かしい。
久しく会っていないジェイダの面影を、どこかで感じていたのだろう。
彼女のことを考えると、少しだけ気分が上向きになる。
「あ、あの叔父様、レジー様」
このままずっと、話もしてもらえないのかと思ったが。
意外にも二人はちゃんとこちらを見て、その先を言うのを待ってくれていた。
「ジェイダ様はお元気ですか?ジンもデレク殿も、お子様たちも……みんな」
みんなにも会える。
どうしてもニールのことを考えがちだが、皆のことだって恋しいのだ。
興奮してドキドキするのと、また叱られるのではないかという不安が押し寄せてきた。
「元気だよ。……みんなだって、君に会いたがってる」
今度の溜息は、とても優しかった。