虹橋の先へ



(ううっ……そうだった……)



顔からぼんっと火が出そうだ。
昔から、叔父はこうなのだ。
ここにそのひとはいないのに、どうしてそれほど熱を孕んだ目になるのだろう。



「……お前、相変わらずだな」

「えー?一応、僕もお父さんしてるよ。でもま、ちびっ子たちは今いないし。何より、僕のお姫様への愛情は変わらない。というか、増してるからさ」



あはは、と笑われても困る。
お世話になる立場で、文句など言えるはずもないが。
四六時中、これは勘弁してほしい。



「さて。そろそろ行こうか?そのお姫様のところへ」



< 20 / 41 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop