虹橋の先へ
何かが脳裏を過った気がしたが、何だったのか思い出せない。
「お前も相変わらずだな」
「に、兄さんまで……。いるならいるって言ってよ」
ジェイダは照れて文句を言ったが、そう言われても困る。
「あれよと言う間にラブシーンが始まってたんですもの。止めようがないです」
「そういうこと。玄関先で強制的に見せられるこっちの身にもなってくれ」
まぁ、幸せそうな二人を見るのは嫌いではない。
ほのぼのというと、かなり語弊があるのだが。
ともかく、憧れのカップルであることは間違いない。
(……いいなぁ……。って、羨ましがってる場合じゃないわ。私だって……!!)