虹橋の先へ

「さ、オーリー。荷物を置いて、話はそれからにしましょう。部屋は皆と一緒になってしまうけど……」



ロイと同じ台詞をずっと明るく繰り返した後、ジェイダが申し訳なさそうに言った。



「そんな!!私の方がお願いしなくては。二人とも、ごめんなさい」



子供たちは自分より年下だ。
いきなり大きいのが来ては、スペース的にもプライバシーの面でも迷惑だろう。



「私は大歓迎……」

「僕も構わないけど……っていうか、仕方ないだろ。っていうか、覚悟しといた方がいいよ。オーリー」



大歓迎と言いながら、母の後ろに隠れてしまったのは妹のビーだ。人見知りだけれど、そんな様子は可愛らしい。
それより、兄の彼の言葉が引っ掛かる。



「ライリー、覚悟って?」


尋ねてすぐ、ライリーの視線を追って分かってしまった。



「アレに慣れる覚悟。これからずっと、視界に入るんだからさ」



(……自信、ないけど)



仕方ない。
滞在中は、彼の言う通り四六時中見る羽目になるのだ。


身内のラブシーンを、何かにつけ。




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