虹橋の先へ
荷物を解きながら、ふうっと息を吐いた。
(やっと、どうにかここまで……)
ニールに会うには、まだまだ遠いけれど。
それでも、あの城に比べたら大きな一歩だ。
(勇気を出して良かった)
帰ったら、間違いなくお説教が待っている。
だとしても、構うものか。
みんなに会えたし、この先どんなに一瞬だったとしてもニールと過ごすことができたら。
何ものにも代えがたい幸せだと思うのだ。
(それに……伝えなくちゃ)
ずっとずっと、大好きなこと。
長い間離れているし、もしかしたらニールにとっては妹のような存在なのかもしれない。
(ちゃんと見てほしいんだもの)
あれから、少しは大人になった。
包容力があって、彼はいつも優しく甘やかしてくれた。
でも、本当の本当にちょっとくらいは、ニールだってドキドキしてくれるはず。
(お側にいてもおかしくないって。じゃなきゃ、フィルが言ったみたいになっちゃう)