虹橋の先へ
「実はね、オーリーが嫌じゃなければ、お願いしたいお仕事があるの」
「お仕事ですか?あの、でも……」
断る理由はない。
お世話になるばかりでは心苦しいし、単純にやってみたいという気持ちは大きいけれど。
悲しいことに、どんな仕事にしろ、普通では考えられないようなミスをしでかすかもしれない。
もちろん、大真面目に頑張るつもりではいるが、「普通」というものの経験が不足しすぎている。
こんなこともできないなんて、一体今までどんな生活をしてきたのだと不審がられはしないだろうか。
「大丈夫。私もロイも知り合いだし、オーリーのことも知っているの。とは言っても、さすがに王女様扱いはできないけど」
「それは、もちろん。でも、私のこともご存じだなんて……お会いしたことがあったかしら?」
首を傾げてはみたものの、思い浮かぶ人はいない。
城を訪れてくれる人しか会ったことがないのだから、それも当然なのだけれど。