虹橋の先へ
ここで、こうしていたって仕方ない。
やると決めたのなら、さっさと始めて少しでも早く慣れることだ。
そうは言っても、やはり緊張する。
(……あ、あった。よし!!やるしかない!!)
母親譲りの、自然と波打ったブロンド。
自分でも気に入っているが、何となく、今は見ないようにしておこうと決めた。
どんな仕事にせよ、邪魔になりそうでもあるし。
「ジンが言ったみたいに、あんまり気負いすぎないで。それにね、こんなこと言っていいのか分からないんだけど……オーリーに向いてると思うんだ」
意味もなく手首にリボンを巻いていたのを思いだし、適当に髪をきゅっと縛る。
少し手が震えていたのか、やや傾いたポニーテールを見てジェイダがそう言ってくれた。
お世辞なのは分かっていても嬉しい。
こんな自分にも、何かできることがあれば。
(ううん。それじゃダメよ、オーリー。できることを探して、見つけて、増やしていくの)
ただ、隣でにこにこしているだけのお妃様なんて、ここでは誰も欲してはいないから。
第一、いつか本当にニールが迎えてくれたとしても、そんなものになれない自信だけは満々なのだから。