虹橋の先へ







ロイやレジーと歩く町並みも新鮮で楽しかったが、彼女たちと連れ立って歩くのもまた違った楽しみがある。
もっと単純に、わくわくするのだ。


あれは何だろう。
あっちの髪飾りは、トスティータではあまり見かけない装飾だ。
あのさらりとした生地が素敵なワンピースは、もう少しここでも暖かくなれば、きっと流行りそう。



「面白いでしょう?今はまだ、物珍しいけど。それでも、物品のやり取りはだんだん盛んになってきてるんじゃないかな。あ、もしかしたらオーリーのところには、一足先に色々届いたりするかもしれないね」

「確かに、見ていて飽きませんけど。でも、それではダメです。むしろ、私たちのところなんて後回しでいいんですもの。ジェイダ様だって、そう思ってるくせに」



物が足りている城になど、今は不要だ。
皆が急いでいるのは、生活に必要なものから順に互いの国へと安全に届けること。
重要性が高いものほど鮮度に関わってくるから、なかなか難しい面もある。
まだ試行錯誤している状態だが、きっと前進している。


もしかして、試されたのだろうか。
ちらりと様子を窺ったが、ジェイダは嬉しそうに笑うだけでそれ以上何も言わなかった。



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