エリート役員は空飛ぶ天使を溺愛したくてたまらない
 莉桜の隣で大きく伸びをした五十里が柔らかく莉桜に微笑んだ。
「せっかくだから食べようか?」
「はい!」

 ベッドルームに備え付けてある洗面台で準備をして客室の方に出る。
「おはようございます」
 客室乗務員はとてもさわやかな笑顔だった。
「おはようございます」
「よく眠れましたか?」
「はい。とっても快適でした」
「そう言っていただけて何よりです。あと一時間程度で着陸となりますので朝食をご用意いたしました」

 シートに座るとテーブルには白いクロスがかけられて、カットされたフルーツやエッグベネディクト、クロワッサンやバターロールなどが置かれる。
「お飲み物はどうされますか?」
「カフェ・ラテでお願いいたします」
 カフェ・ラテの入ったカップをテーブルに置きながら、客室乗務員は莉桜に話しかける。
「現地はお天気も良いみたいですから、楽しみですね」
「嬉しいです」

「莉桜はモルディブは行ったことあるのか?」
 隣で並んでコーヒーを飲みながら、五十里が莉桜に尋ねる。
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