エリート役員は空飛ぶ天使を溺愛したくてたまらない
「し、島ごと貸切なんてあるんですか!?」
「モルディブらしいよ。時間になると料理人がボートでやってくるし、アクティビティを楽しみたいならインストラクターを派遣することもできる。アクティビティ専門の島で楽しむこともできるそうだ。どちらにしてもここでは二人きりだ」

 輝くような笑顔を見せられて莉桜は返す言葉がなかった。
(そうだった! この人こういう人だったわ!)
 五十里の言葉通り、荷物を降ろすと案内の男性はまたボートで去っていってしまった。しかし近くの島で待機はしているとのことで『いつでも呼んでくださいね』と爽やかな笑顔を見せる。

 建物の中は、先ほど海の上からも見えた開放的なリビングの他、寝室やバスルームもガラス張りになっており、海を臨む景色が楽しめるような設計になっている。それぞれの部屋はパーティでもできそうなくらい広い。滞在する部屋のほとんどが海に面して作られているのでとても開放的な印象だ。

 リビングに続くデッキにはジャグジーと小さめのインフィニティプールがそなえられており、デッキチェアやテーブルも置いてあるので、日によってはそこで食事を楽しむこともできるのかもしれなかった。

 莉桜がデッキに向かうとプールの横から海へと続くはしごが設置されていて、はしごから直接海へ入れるようだ。しかもデッキから覗いた海にはたくさんのカラフルな魚が泳いでいるのが見えた。
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