エリート役員は空飛ぶ天使を溺愛したくてたまらない

2.

　飛行機は定刻に羽丘国際空港を無事に飛び立ち、上空へと飛行を続ける。

　ベルトサインが消えるとすぐに莉桜たち客室乗務員はサービスの準備を始める。
　エコノミークラスは通路をカートを押してサービスするためカートに全ての飲み物を搭載することとなるが、ビジネスクラスは一人一人にオーダーをとりにいかなくてはいけない。
　エコノミークラスとはマニュアルも手順も違ってくる。莉桜は担当のシートの飲み物のオーダーを一つずつ確認していった。
　中には今日のワインの種類を聞かれる方もいるので、それにもスムーズに答えられるようにしておかなくてはいけない。

　面白いもので夜便だとアルコールなどの注文が多く入り、早朝便だとコーヒーなどの注文が多い。暑ければ当然冷たい飲み物が多く出たりする。
　その辺りも考えながら飲み物も積載しているのだ。飛行機には積載できる量が限られている。
　その中で搭乗されたお客さまに満足してもらわないといけない。

　今回莉桜が乗っている機体はお客さまの手元にあるタブレットで飲み物を注文することもできるため、あらかじめ注文が分かっているシートはその準備をするが、注文が入っていないシートには直接声をかけにいかなくてはいけなかった。
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