エリート役員は空飛ぶ天使を溺愛したくてたまらない
 莉桜は国内でも大手の航空会社JSA(ジャパンスカイエアライン)CA(キャビンアテンダント)、客室乗務員なのだった。
 身長は平均くらいだろう。約百六十センチほどで、丸顔で大きな目は少し童顔で可愛らしく見え、年齢が低く見えてしまうのでコンプレックスでもある。今は髪を巻いているからフェイスラインもすっきりとしているが、降ろすと背中の中ほどまでのロングヘアなので、またイメージがガラッと変わる。

 エレベーターを降り、ロッカールームへ向かう廊下の大きな窓からは何基も飛行機が停まっている空港が見えた。
 今日は天気もよく、風がなければフライトも問題なさそうだと、緑と白のしましまの吹き流しを目で確認する。吹き流しは空港の他にも高速道路にある、鯉のぼりのようなあれだ。
 ぶらりと下がって揺れてもいなかったのでほとんど風もないようだった。
 あとは機材と呼ばれる飛行機に問題がなく、お客様の搭乗がスムーズであれば出発に問題はなさそうだと里桜は嬉しくなる。

 ──よしっ!
 搭乗の時はいつも気持ちが引き締まるものだ。
 ロッカールームで制服に着替えて全身をチェックした。
 濃紺にブルーのベルトを付けるワンピースと濃紺にブルーのラインが入っているジャケットはJSAカラーだ。
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