エリート役員は空飛ぶ天使を溺愛したくてたまらない
　莉桜が現地時間に合わせる派だと知っている大島がバスの中で莉桜に声をかける。
　ステイの場合は一緒にいけるクルーがいればみんなで一緒に食事や観光に行くことも多い。大島と一緒の乗務も久しぶりで声をかけられて莉桜は笑顔を向けた。
「嬉しいです！　ぜひご一緒させてください」
「前にシカゴステイがあったときに夜景の見えるいいレストランを見つけたの。一緒に行く？」
「わ！　すごく楽しみです！」
「お店も素敵なんだけど、お料理もおいしいのよ」

　シカゴは世界初の摩天楼がつくられた街とも言われている。その夜景を観ながらの食事とは、莉桜もとても楽しみだった。
　クルーシャトルを降りると、パーサーが全員分をまとめてチェックインしてくれる。莉桜もパーサーからカードキーを受け取った。大島と一緒にエレベーターへと向かう。

「倉木さんは何階？」
「私は七階です」
「あら、私は八階だったわ。じゃあ三十分後に着替えてロビーで集合しましょう」

　またあとでとエレベーターで分かれて、莉桜はキャスターバッグを引きながら自分の部屋に向かう。部屋の中に入ると、カーテンが閉まっている時はまずカーテンを開ける。莉桜は真っ先に窓に向かってカーテンを開けた。
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