エリート役員は空飛ぶ天使を溺愛したくてたまらない

1.

「おはようございます」
 ミーティングスペースに到着した莉桜が元気に挨拶すると「おはようございます」とみんな素敵な笑顔で返してくれる。全員初対面であることが多いので、感じ悪く接するような人はいないのだ。

「倉木さん、おはようございます」
 ミーティングスペースの中に顔見知りの先輩である大島がいた。大島とは研修の時に指導役をしてもらったこともあり、尊敬する先輩なのだった。

 知り合いと一緒になることは非常に珍しいことで、大島とも数カ月ぶりの同乗だった。
 相変わらず所作が美しく、挨拶をする様子にもうっとりとしてしまいそうだ。

「大島さん、ご一緒できて嬉しいです。よろしくお願いいたします」
 莉桜が笑顔を向けるとそれを見ていた他のクルーが大島に声をかける。
「あら、大島さんの後輩ちゃんなの?」
 大島は微笑みながら返事をした。
「はい。研修で後輩だったのと、少し前に乗務が一緒だったんです」
「よろしくね」
 先輩クルーは莉桜にも微笑みかけてくれた。とても笑顔が美しい人だ。
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