エリート役員は空飛ぶ天使を溺愛したくてたまらない
 本当にとても意外なことなのだが、五十里は思っていることを莉桜にストレートに伝えてくれる。
 莉桜の方が時々その甘さに戸惑ってしまうくらいだ。
 会いたかったと言われて莉桜は胸を高鳴らせた。
 五十里はそんなことは気にしていないようで、莉桜の荷物を預かって後部座席に入れてくれている。

「乗って」
 そう言われて莉桜は助手席に乗った。SUVではあるけれど内装はとても高級だ。
 革張りのシートは外装に合わせて黒で、パネルも全て黒の革張りとなっていて、とても落ち着いた雰囲気の内装が五十里に合っていた。
「素敵な車ですね」
「ありがとう。運転は好きなんだがなかなか機会がなくてね。恋人を迎えに空港へ車で向かうのはいい気分だ」
 発言の通り五十里はとてもご機嫌そうだった。忙しい中、無理させてしまったのでは? と心配していた莉桜もホッと胸を撫で下ろす。

 五十里の運転はとてもスムーズでハンドリングも丁寧だ。
「家まで送ろう。明日は休みだな?」
「ありがとうございます。明日、明後日がお休みです」
「明後日は仕事の準備もあるだろう。明日の夜、食事でも一緒にしないか?」
 五十里はさすがに航空会社と仕事しているだけあって、ある程度内部のことに詳しいようだ。
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