幽霊鬼ごっこ
噂話
「裕美も昨日の歌番組見たの?」
放課後、キズナ小学校の5年1組の教室に残っているのは、私、吉野裕美と川井由紀。

そして大塚信一と竹中直人の4人だった。
「うん、見たよ。やっぱり最高だった!」
「いいなぁ。私まだ見れてないんだよね。録画してあるから、早く帰って見なきゃ」

由紀が赤いランドセルと背負うと、肩まである天然パーマの髪の毛がふわりと揺れる。
シャンプーの甘い香りが漂ってきた。

「録画といえばさぁ、呪いのディスクって知ってるか?」
話を持ちかけてきたのは信一だった。
信一はクラスの中で一番背が高くて運動神経バツグン。

勉強はあまり得意じゃないけれど、女子生徒たちから密かに人気が高かった。
そんな信一は私とお隣さん同士だ。

「え、怖い話?」
由紀が眉を下げて私の腕に抱きついてくる。
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