幽霊鬼ごっこ
休日鬼ごっこ
昨日学校から出たときにはクタクタに疲れていた体が、次の日に目覚めると嘘みたいに軽くなっていた。

「やっぱり、一旦眠るとリセットされるのかな」
私はベッドに上半身だけを起こして自分の体を確かめて呟く。

信一が怪我をしたときも、翌日には怪我が治っていたし。
そのまま階段を下りてキッリンへ向かうと、お母さんが起き出してきたところだった。

普段よりもずっと遅いなと思ってカレンダーを見ると、今日が日曜日であることに気がついた。
昨日は土曜日だったけれど、午後から1時間だけ特別授業が入っていたのだ。

幽霊鬼ごっこのことで頭が一杯で、すっかり忘れていた。
どうりで昨日は放課後になるのが早いと思ったわけだ。

「おはよう裕美。今日は休みなのに随分と起きるのが早いじゃない」
「ちょっと、目が覚めちゃって」

そう答えてから洗面所へ向かい、顔を洗う。
鏡の中の自分の顔は普段どおりに見えるけれど、なんとなく疲れている印象だ。

もう4日間も幽霊鬼ごっこをしているのだから、当然だった。
「お父さんは?」
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