幽霊鬼ごっこ
幽霊鬼ごっこ Day2
もう二度とあんな思いはしたくない。
そう考えた私は放課後になるとすぐに教室を飛び出した。

誰よりも早く階段を駆け下りて昇降口へ向かう。
下まで下りきったときにははぁはぁと息切れをしていた。

「ふぅ。これで帰れる」
靴を履き替えて外へ出た時、ようやく呼吸を整えることができた。

昨日のように教室に閉じ込められる前に、ここまで逃げてきたのだ。
信一と直人はまだ教室にいたみたいだけれど、大丈夫かな。

そう思ってふと振り返る。
そこには誰の姿もなくてシンと静まり返っている。

放課後の騒がしさを感じられなくて私は「あれ?」と、首を傾げた。
普段なら私みたいに一目散に昇降口へ向かう生徒の姿もあるのに、今日は本当に私が一番乗りだったみたいだ。

それにしても、学校内が静か過ぎる。
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