ハイスペ上司の好きなひと
きっとこの後も何でこんな時間から居るんだと怒られるんだろうなあ…と思いながら藤宮の散らかしたファイルを元の場所へと戻していく。
そうして引き続き手を止める事なく片付けを進めていると、部署のドアが開いて飛鳥が出社してきた。
そして自分のデスクでない場所の整理をする紫に、当然ながら怪訝な顔を向けてくる。
「古賀?朝からそんなに散らかして何してるんだ?」
「あ、これは…」
藤宮係長が、と言いかけた時だった。
当の本人が戻ってきたのは。
「いやあ、初日から部長にすごい怒られちゃった。ごめんね古賀さん、ほとんど片付けやらせちゃって…」
怒られたと言いながらも全く反省していない態度で帰ってきた藤宮は、紫とその隣にいる飛鳥を見てにこりと笑顔を作る。
「あ、飛鳥くん。久しぶりだね」
「白河さん!?」
飛鳥が珍しく声を張り、目を剥いて藤宮を見た。