ハイスペ上司の好きなひと
「会議には必ず一緒に参加してくれ。議事録や報告書を任せたい」
「承知しました」
「必要があれば出張にも同行してもらう事になるが大丈夫か」
「パスポートも期限がまだありますし大丈夫です」
「よし」
資料とタブレットを同時に操作しながら確認をし、そろそろ打ち合わせも終了かとなろうとした時だった。
「あと最後に。実はあっちでの仕事がまだ完全に終わってなくて、今後も定期的に支社に行かないといけないんだ」
「そうなんですね」
「ああ。だからその間電話対応だったりこっちでの仕事を任せる事になると思う。…迷惑をかけてすまない」
そう言って頭を下げる飛鳥に酷く焦った。
「い、いえ!事務として採用はされましたけど、こういう仕事も請け負う可能性もあることは聞いていますので大丈夫です!」
お任せください!とは自信を持っては言えないが、藤宮の仕事ぶりを隣で見てきたのだ。
彼女のようにはできないが、ある程度の対処はできるよう心積りはしている。
そう付け加えれば、顔を上げた飛鳥は安心したように笑った。