ハイスペ上司の好きなひと
「今度世話の仕方教えてくれ」
「本当に簡単ですよ?」
「ちゃんと聞いとかねえと。俺は植物クラッシャーだから」
「なんですかそれ」
「昔からちゃんと世話してるつもりなのに何故か枯れるんだ。小学生の時に夏休みの宿題で朝顔の世話とか無かったか?休み明けの登校日、俺だけ枯れてて恥かいた」
「それは…なかなかですね」
そんな軽口を叩いているうちに拭き上げが終わり、タオルを持ってキッチンでそれを軽く洗った。
「私はもうお風呂いただいたので先に休みますね。明日からまたよろしくお願いします」
「あ、待ってくれ」
「はい?」
背を向けようとした紫を引き留め、飛鳥は荷物の中から箱を取り出した。
「土産、今渡しておく」
「えっ…そんな、よかったのに」
「諸々の礼だ。受け取ってくれ」
「…すみません。では…有り難く」
気が引けながら受け取ったそれは、見覚えのあるロゴデザインが印刷されていた。