ハイスペ上司の好きなひと
「あ、おはようございます…」
「ああ古賀…おはよう」
「えっと…二日酔いですか?」
「…死ぬ程頭が痛え」
昨日は普通だった顔色も真っ青になっており、そのあまりの弱々しさに自然と紫の眉が垂れた。
「かなり飲まれたんですか?」
「いや…量はそんなに。元々酒は弱いんだ…あとワインだけは昔からすげえ悪酔いする」
「なんで分かってて飲まれたんですか…」
「酔った課長に無礼講だっつって押し付けられて断れなくて…」
「ああ…」
あの普段は豪快で良い人だけど酒が入ると途端にセクハラオヤジ化するあの人か。
とにかく課長は酔わせるなと部署内では危険人物認定されてはいるが、紫にとっては以前の会社の上司の百億倍は良い人なので悪い印象は無かった。
頭が痛いと言うので鎮痛剤は飲んだのかと聞けば常備していないらしく、飲んでないと返ってきた。