とある男アイドルの活動日記
始まり
1月×日、日曜日。中学2年生、14歳。


その日、俺は友達と遊びに出かけていた。

カラオケで散々歌って笑ってバカ騒ぎをして、

近くのファミレスで飯を食っていたときだった。

明らか胡散臭そうな男の人に声を掛けられたんだ。

メガネをかけていて、スーツ姿で、高そうな腕時計をしていて。

「ねぇ君、ちょっとお時間いいかな?」って言われたんだっけな。

周りの友達みんな爆笑でさ。

お前なんかしたの?って言われて。

「なんすか?」って返したら、

「アイドルならない?」って言われた。

は?って思って、「サギですか?」って言い返して。

そしたらしっかりした厚紙の名刺を渡されて。

「来週の土曜日、話を聞くだけでいいから、1時間だけ時間もらえないかな? じゃあ、3時にここでね!」

そうまくしたてられて、半ば強引に約束を取り付けられてしまった。

面倒なことになったな……って。

「どんまーい」って笑われたのがすごく腹立った。
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