親分と子分のアイマイな関係

01

 もう大丈夫だよ。

 そう声をかけたのは――あたしだ。

 保育園の屋上で。竹馬が上手くできなくて、泣いていたあの子に。

 もう大丈夫、大丈夫。

 あたしと一緒なら、なんでもできるよ。

 それは、幼さゆえの根拠のない自信。

 けれど、あの子はそれを信じてついてきてくれたんだ。

 ああ、あれから……ずいぶんと経つんだなぁ。
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