恋するマリネ


「やあ…この前はあんがとした。」



「いいえっやっぱりアンタだったんだ…ケンシローって。」



「何がどうなってんのねえ、百合」







すると百合はアタシの肩に手を置いて溜息まじりに話しだした。





「別にマリネが心配するようなことじゃないよ。

夏休みの模試の日…覚えてる」



「う…うん。」



「あの日さ…アタシがマリネと校門のところで別れて、光司と帰ってたらさ…呼びとめられて…

マリネのメアドを聞かれたの。ただそれだけ。」



「それだけ」



「そっそんだけだよ。あん時…光司がいたから…あんまよく見なかったけど…やっぱりね。」



「だからケンシローがアタシのメアド知ってたんだ」



「じゃあなんで百合、最初にケンシローの写メ見た時に何も言わなかったの」



「だから〜そん時はあんまよく見てなかったんだって言ったじゃん」




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