恋するマリネ


アタシは携帯を開け、その不可思議な
メールを百合には見せた。




しかし百合も最初は完全に疑いの目を
アタシに向けた。




アタシの言うことは大体の事は
信じてくれる百合でさえこんなんだから…




他の人にでも言おうものなら
気違い扱いされるのは明らかだった。





ーーどれどれ……うーん……




「でも…こんなことって…」


「でしょ…アタシも何のことだか…
意味不だし。」






ーーどれ






「ねっほら…ここんとこ。
普通はさ…こっちみたいに
送信日時になるじゃん。」


「だよねってことは…」


「そう…93.12/25/13:27ってことだから…





15年前の1993年の12月25日の
1時27分のメールってこと。」



「ん…それって…」



「うん。お父さんが死んだ日。」



「内容はどうなってんの
それ…マヂでマリネのお父さんから」



「ううん。多分…違う人。見て。」




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