恋するマリネ
「ケンシローがさ…最初にくれたメール…あれ何で15年前の日付やったん」
「あ…あれ…気付いとったんか…何も聞かんから気付いてないんかと思うてた。」
「ただ聞きそびれただけだしだから…何で」
「それ…内緒やクリスマスの日になったら解る。」
「え〜っっ何でよ」
「男も女も…恋も…謎があった方がいいんや。」
「そうかも知んないけど…気になる」
「ダーメクリスマスプレゼント」
「楽しみにしとき。」
そうはぐらかしてケンシローは立ち上がった。
「ほら…もう帰るで。暗くなってきたし。な…」
アタシの頭をぽんぽんと叩き、アタシの手をひいた。
結局…あのメールの謎は残ったまんま…初めてのデートは終わった。
ただ帰る時…ケンシローがボソッと「パパに逢えたらええな。」と言ったのは嬉しかった。