恋するマリネ
その騒ぎの張本人のイケメンとは…言うまでもなくケンシローだった。
「ね…あれ…誰」
「あんなイケメン…佐賀におんの」
「もしかして…芸能人」
「まっさかー」
「でも…山Pに似てない」
「そうか…」
みんなは遠巻きに見て騒いでいるだけで1年の女子なんかは大変な騒ぎようだった。
「あのさ…君何年」
「あ〜…アタシ…3年です。…あの写メ撮って下さい。」
「いや…俺…そういうんじゃないし。誰か2年生いてへん」
すると…沙織が「アタシ2年生です」
と群集の中から大声で叫んだ。
「マジでよかったあ…あのさ…外川音巴って子どこにおんか解る」
ケンシローがそう言った瞬間…回りが凍りついたように静かになった。