恋するマリネ
マリネが武雄駅に着いた時には…すでに陽は完全に落ちていて…僅かに賑やかなクリスマスイルミネーションが夜の帳(トバリ)に色を添えていた。
その中を懸命に走るマリネ。
その頃、ケンシローは佐賀の駅前のきらびやかなイルミネーションの中を…強さを増した雪の中…
クリスマスを楽しむカップル達の中を歩きながら、あの日二人で撮った写メを見つめていた。
黒板に描いた相合い傘の前でピースして…微笑むマリネ…
小さな鉄棒で逆上がりできないマリネ…
かくれんぼの時…自分を見つけきれずに…あの木の前で泣きべそかいたマリネ…。