恋するマリネ
アタシは、自分が描いていた妄想…夢をサンタさんが叶えてくれた気がしていた。
着替え終わりアタシがトイレから戻ると…
「似合うで…ほな行こか」
「うん…。あっ…」
「何や。」
「あ…これ。クリスマス。」
アタシも少しぐちゃぐちゃになった紙袋を思い切って差し出した。
「きたないけど…アタシが編んだの。」
ケンシローは紙袋を開け、マフラーを引っ張り出して手にとっても…何も言ってくれなかった。
ただ黙って…マフラーを見つめていた。