恋するマリネ
二人で一つのマフラーをしてアタシ達は…列車に乗った。
ーーどこに行くのか聞かされてなくても…きっとあの日と同じ。
ケンシローに渡された切符はあの日と同じもの。
朝は仲直りできたようで…安心していたが、列車が走るにつれ…次第にケンシローの表情が硬くなっていくのが解った。
行き先は同じでも…全てがあの日とは違い初めていた。
アタシの気持ちも…
ケンシローの気持ちも…。
そしてアタシの表情も…
ケンシローの表情も…。
並んで歩く二人の距離感も…
全てが違って感じるようになっていった。