恋するマリネ
「さっすが〜〜っマジであんがと巧こんな時だけは役に立つよね〜」
「こんな時だけかい」
「だってサッカーは下手くそだし、歌も下手じゃん」
「まあな。…でもよ…折角教えてやったんに…お礼もなしかよ。」
「ありがとでした。」
と…マリネはペコリと頭を下げ、顔を上げるとニコッと笑いながら
「今度おごるからさねっ」
とピースした。
「別にいいよ。そんなん。」
「あっそっ良かった〜っでも…巧…さっきから何読んでんの偉く難しそうな本読んじゃって。」
「これか…今オレ…これにはまっててさ…「アイシュタインズウオッチの謎」って本でさ…めっちゃ面白いんだ。
お前もどう読むか読むなら貸してやるぜ。」
「ううん…いい。アタシには到底解りっこないから。でも…その…アイシュタインって…どっかで聞いたことあるみたいな…。」
「あったり前だろあのノーベル賞もとった「相対性理論」をつくった天才物理学者だぜ。」
「ふーん…そうなんだ。」
ーー正直アタシにそんなこと言われても、犬がお経を聞いてるようなもん。