恋するマリネ


「マリネ…みんな笑ってるから、もう入んなよ。」



「あ…百合。今何時」



「ん1時5分だけど。」



「ゴメンアタシ帰る。」





そう言ってアタシは走り出した。




かばんとか全部…そのままにして。





無意識に駆け出していた。








あなたに逢いたくて…








あなたのことを知りたくて…。






パパのことを知りたくて…。







アタシは学校を出るとチャリに乗って家に帰り、あのお父さんの形見の「壊れたクラリネット」を持って





またチャリに乗って…






あの約束の場所に急いだ。







ケンシロー君が待っててくれるはずの…あの場所へ。




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