恋するマリネ
アタシが下へ降りて、ご飯を食べようとしてたら、お母さんがお父さんの話をし始めた。
「さっきお父さんのクラリネット吹いてたでしょ」
「うん。なんで」
「なんで音巴があの曲知ってるの
あれ…音巴が生まれた日に、お父さんが作った曲で…
楽譜だって…お父さん死んでからどっかいってたのに。」
「やっぱり…お父さんが作ったんだ。あれ。」
「やっぱりって」
「ううん…何でもない。」
「楽譜はどうしたの」
「偶然…ケンシローって男の子に貰っちゃった。」
「ケンシローって」
「さあ…知らない。ただ、これあげるって言われただけだよ。」
「フ〜ン。そう。」
それっきり…話は途絶え、アタシは後片付けを手伝い、それから二階に上がって数学を勉強し始めた。
というのも…来週の日曜日は県下一斉模試。