恋するマリネ
放課後…光司と巧が部活に行く用意をしていると、同じクラスの高嶋亜矢が巧を呼びに来た。
「大西君。」
「ん何」
「校門のとこで、清林女子の1年が呼んでるよ。」
「よっモテる男は忙しいな。」
「高嶋…ワリイ…俺帰ったって言ってくんない」
「なんでだよ分かった俺が責任もって連れていくから」
「じゃ光司君よろしくね。」
「おうほら…とりあえず行ってやんねえと可哀相だろ」
「何言ってんだよ。自分が見たいだけのくせして。」
全くもって興味を示さない巧を無理矢理、光司が引っ張って行く。
「タク…これで2学期になって3人目じゃね」
「そんなん一々覚えてねえよ。」
「おっあれじゃね」
校門の所には、女の子が3人いた。かなり遊んでそうな二人に囲まれてやや清純そうな子がいた。
巧と光司が来ると…
一番背の高い女がその清純そうな子の背中を押しながら
「ほら、沙罹…渡しちゃいなよ」
と言うと、その子は恥ずかしそうに「これ…」と言って手紙を差し出した。