恋するマリネ
先生は15歳
気がつくと、90分あったはずの時間は残り30分を切っていた。
「ヤベッ…あと30分もなくなってもうたから始めなあかんで」
「うん…。」
とアタシが気のない返事をすると…またケンシローに叱られた。
「あのなお前の成績上げるんが俺のここでの仕事や。」
ーーお前アンタあたしより年下なのよ
そう内心思ったがアタシの気持ちを見透かしたかのように、またケンシローが追い討ちをかける。
「今ここでは俺は音巴の先生で、音巴は俺の生徒
それが嫌なんやったら…俺、辞めなあかんけど…どうする」
ーーブルンブルン…
アタシはソッコー首がもげる程、首を横に振った。
「よしそれでええんや。なら始めよか」
アタシは大人しく席に座り、ノートを出した。