狐火

 
 次の日から、夕方までは課題をやりつつなずなの面倒を見るというのが日課になった。


 なずなは本当に大人しかった。

 時々人形だのおままごとだので一緒に遊んだりはしたけど、基本的に本を読んだりビーズで遊んだりと、一人で遊ぶ方が好きなようだった。

 ただし私は作れる料理が少ないので連日形を変えただけの玉子料理を出し、そこは少し文句を言われた。


 そして夕方になって叔母さんたちが戻ってくると散歩だと言って家を抜け出し、ヤコに会いに行く。


 ヤコは約束通り、いつも柳の木の下で私を待ってくれていた。

 暗くなるまでの一時間、私たちは毎日色んな話をして過ごす。
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