狐火
「えっ……ええっ」

 我に返った私は、恐る恐る欄干に手を掛けて川を覗き込んだ。

 暗いのでスマホの灯りを付けて目を凝らすと、何メートルも下の川に小さくヤコの体が見える。


 これはただ事じゃない。私は近年まれに見るほどの猛ダッシュで屋台の方へ走った。
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