狐火
 冗談じゃない、私たちは原宿でキラキラしたスイーツを堪能するはずだったのに。

 こんなんじゃ私が可哀想だ。


 私は泣く泣く友達に原宿へ行けなくなった旨を伝えた。

「心配しないで!原宿の写真撮ってきてあげるよ」

「あんたの分のパフェ、あたし達が味わってきてあげるからね」

 等々、慰めにもならない言葉を投げかけられて更に泣けた。


 友人たちにも見捨てられ、私は日用品と課題を詰めた旅行鞄、ついでにお土産のサブレの箱と共に叔父さんの車に押し込まれた。
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