わたしの告白日記

#初めての告白

今日は、とてーも寒いとある日曜日の朝。


いつものようにゴルフのレッスンに向かい、歩きながら彼のことを考える。


「彼」とは、私がこっそり1年半も片思いしてる人。


森川瑞生くん。


ふたりとも今は中3で、同じ先生に小1の頃から教わっているため半ば幼馴染みたい。


高身長・モデル並みのスタイル・顔面偏差値2万超えの爽やか系イケメン。


森川くんを意識しだしたのは、中1の夏。


その時はすでに仲良くたまに遊びに行くことがあった。


その日は夏祭りだった。


私が迷子になり道端で悲しんでるときに、家族よりも真っ先に見つけてくれたのが森川くん。


その時の心配度と優しさに惹かれたのだった。


ゴルフ練習場に向かうと、今日も大好きな背中が見えてきた。


いつも真面目に朝早めに来て練習しているのだ。


「森川くんっ!おはよう!」


元気に挨拶すると


「ん。おはよ」


と少しそっけなくも優しい返事が返ってくる。


やっぱり好きだな。


緩む口元を抑えながら、レッスンを乗り切った。


レッスンが終わって帰ろうとする森川くんを呼び止める。


今から公園に付き合ってもらい告白をしようと思ったからだ。


ずっと思いを隠し続けてもいいことないし。


いっそ当たって砕けろであっさり終わりたい。


公園につくと、私はおそるおそる見上げる。


森川くんはじっとわたしを見つめていた。


言葉を選びながらゆっくりと紡ぐ。


「あのさ、簡潔に済ませるからきいてほしいんだけど…」


そこで森川くんに遮られた。


そこからはあまりの驚きに意識を半ば持っていかれそうになった。


「…あのさ、。もしおれと気持ちが同じなら聞いて。


おれ、河内が好きだ。


どうしようもなく、狂いそうなぐらい、好きで好きでたまらない。


3年ぐらい片思いしてアピールとかもしてた。


だけど河内が鈍感だからっ…!


気づかれなかったけど、もしよかったら付き合って欲しい。」


私は森川くんの言葉が信じられなくて、目を見開く。


喜びが声にならず、顔を勢いよく上下にふる。


その瞬間私は大好きな温もりにつつまれた。


そのまま私たちはお互いに惹き付け合うように唇を重ねた。


ファーストキスを好きな人に奪われるのって、こんなに嬉しいんだ。


このとき恋の美しさを知った。


初めは軽く重なっていただけの唇が深いキスになっていく。


後頭部に手が添えられて息がだんだん苦しくなる。


苦しくて声を漏らしてしまう私を一回離して微笑むと再びキスをした。


人生でいろいろな初めてが記録された日。


今日が今までで一番幸せだったことの記念日だ。

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