私たち、幸せに離婚しましょう~クールな脳外科医の激愛は契約妻を逃がさない~
「あけましておめでとうございます」
「あ、沙月さーん、あけましておめでとうございまーす」
ほんの数日会っていなかっただけなのに、年明けは再出発という晴れやかな気分になる。
すれ違いざまに年始の挨拶をしつつ沙月が向かうのは、給食部門の会議室だ。
十時から献立を決める会議がある。
年末に風邪で寝込んだのをきっかけに、無理はしないと決めた。
給食部門を手伝い始めたときは調理も手伝っていたが、ちょうど人員が補充されたのもあり、今は管理栄養士として献立の検討にだけ参加している。
「今年もよろしくお願いしますね」
「こちらこそ、よろしくお願いします!」
にこやかに声をかけながら沙月は会議室に入った。
「あ、沙月さん、あけましておめでとうございます」
会議室には栄養士の女性がすでにいて、彼女から休み中の状況を聴く。