私たち、幸せに離婚しましょう~クールな脳外科医の激愛は契約妻を逃がさない~

 

「あけましておめでとうございます」

「あ、沙月さーん、あけましておめでとうございまーす」

 ほんの数日会っていなかっただけなのに、年明けは再出発という晴れやかな気分になる。

 すれ違いざまに年始の挨拶をしつつ沙月が向かうのは、給食部門の会議室だ。

 十時から献立を決める会議がある。

 年末に風邪で寝込んだのをきっかけに、無理はしないと決めた。

 給食部門を手伝い始めたときは調理も手伝っていたが、ちょうど人員が補充されたのもあり、今は管理栄養士として献立の検討にだけ参加している。

「今年もよろしくお願いしますね」

「こちらこそ、よろしくお願いします!」

 にこやかに声をかけながら沙月は会議室に入った。

「あ、沙月さん、あけましておめでとうございます」

 会議室には栄養士の女性がすでにいて、彼女から休み中の状況を聴く。

< 151 / 195 >

この作品をシェア

pagetop