私たち幸せに離婚しましょう――契約結婚のはずが、エリート脳外科医の溺愛が止まらない――
 苦笑しつつ、期限付きとはいえ夫婦なのだ。ちょっとくらいデートもいいじゃないかと思ったりした。

 バスルームから出て、仄暗いリビングへ向かうとダイニングテーブルに向けてダウンライトだけがついていた。

 主真の分の夕食がテーブルに並べてある。

 沙月と相談して夕食の時間は夜の七時頃と決めた。

 その時間までに主真が帰ればければ待たなくていいと言ってあるし、食事がいらない日は、前もって伝えるようにしていた。逆に彼女が夕食を取らない日は、外食で済ませるから気にしないようにとも。

 というわけなので今夜の夕食は、先に食べたらしい。

 ラップに包まれた皿にはトマトソースのロールキャベツ。逆さにしたカップがあるからスープもあるようだ。

 いつも思うが沙月は料理が上手だ。なにを食べても美味しいので、見た途端に食欲が沸いてくる。早速レンジで温めて、食事を済ませた。

 食事中に沙月が来るかと思ったが、相変わらず姿を見せない。

 時刻はなんだかんだで十時半を回っている。

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