春、君と恋に落ちる
でも予想外で驚いたし、今は照れすぎて何もまともに返事ができそうにない。

どうしよう、嬉しいのに嬉しいって言えない。

それに今一緒に住めてるだけでも奇跡みたいなことで嬉しいのに、これ以上幸せになって良いのかな。

これ以上来る幸せに耐えられそうにないの。

いつかだめになっちゃいそうで、怖い。


「…少し考えさせてください」


そう言って私は寝室に逃げてしまった。

この反応が蒼くんを傷つけてしまうかもと思ったけど本当に無理。

蒼くんと結婚とか、そんなのしたいに決まってる。

でも今はこのだらしなくて情けない顔見られたくない。

きちんと言葉で御礼を言える時、私も傍に居たいって言える時に思いを伝えたい。聞いて欲しい。

そう思っていたのに蒼くんはそっとしといてくれなくて、寝室のドアを開けて「晴ちゃん?」と声を掛けてくる。

今、顔見られたくないのに!

私の顔を見るなり、蒼くんが近付いてベッドに座る私の隣に座ってくる。


「今来ないでください!」


そう言って蒼くんから顔を隠そうと手のひらでガードする。
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