春、君と恋に落ちる
夕食は綺麗なレストランで取った後、少し歩いて夜桜が綺麗にライトアップされた公園に来た。

平日だからか人が居なくて、私と蒼くんだけ。


「夜桜なんて初めてですね!綺麗…。」


夜桜なんてそんなに見に行くことがないから新鮮で、すごく綺麗。


「晴ちゃん」


後ろにいる蒼くんに呼ばれて振り向くと、スマホのカメラでシャッターを切られる。


「あ、また撮ってる。もう!不意打ちやめてください!」

「大丈夫、ちゃんと可愛いよ」


そう言って笑ってくれる蒼くん。

嬉しいけど何だかな、複雑だ。

どうせなら一緒に写ってくれたら良いのに。


「知ってるんですからね、ロック画面もホーム画面も、不意打ちで取られた写真にされてるの。ホーム画面寝顔だったし。」


文句を言われてるにも関わらず蒼くんは笑っていた。


「多分これは一生変えられないかな。きっとやめてって言われても」


そう言ってスマホを閉じる蒼くんを見て、また夜桜を見る。
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