春、君と恋に落ちる
「晴ちゃん、この間のじゃ味気ないからこういうのはきちんとした方がいいかなって」


蒼くんの方を見ると、小さな箱をポケットから取り出している。

その箱って…。

ドラマとかで見たことあるような展開。

何時も私は脇役だから無関係と思っていたのに、そのドラマのようなヒロインに私がなろうとしている。

蒼くんが私をヒロインにしてくれてる。


「絶対この日がいいなって言うのと、思いを伝えるなら俺らはやっぱり桜の下がいいかなって。」

「…蒼くん、これ。」


そう呟いたタイミングで箱を開いて中を見せてくれた。

中には桜が咲いたような指輪が入っている。

驚く私に優しく笑いかけてくれる蒼くん。


「俺と結婚してください。」


指輪を見ても、もしかしてって思っただけで実感はなかったのにその言葉でプロポーズされたと実感した。
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