春、君と恋に落ちる
「かいちょー!おはよう!」


そのお友達に声を掛けられるけど、蒼くんはこちらを見ない。


「おはようございます」

「蒼、会長に声掛け無いの?いつも話しかけるじゃん。」

「え?何かいた?今」


なんて蒼くんは私をいないものとして扱ってる。

そのまま歩いていく蒼くんを、蒼くんのお友達2人は気まずそうな顔して蒼くんの後ろをついていく。

元々関わるつもりがなかった人だ。

何も問題ない。

これが普通なんだから、傷付くな私。

自分でも気付いていた。

まだ一日目なのに、寂しいって。

昼休みもいつもなら迎えにくる蒼くんがいなくて、前みたいに寂しく生徒会室で食べる。

このおかずちょうだいとか言いながら、口を開けて待ってる蒼くんとかを思い出した。

こんなところでも思い出すことになるなんて。

蒼くんは今頃、お友達と楽しくお昼してるんだろうな。

生徒会室がガラガラと音を立てて開くと、結城先輩がいた。


「あれ、珍しいね?今日はあの子と一緒じゃないんだ?」


あの子、は蒼くんの事だと思う。
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