春、君と恋に落ちる
「今日、一緒に帰れる?」

「あ、いえ。生徒会があるので」


そう呟くと、私の顔を覗き込んで


「待ってていい?」


と聞いてくる。

今まで待たせてしまうから放課後一緒に帰ることは無かった。

でも、待っててくれるなら帰り道ゆっくり話したい。


「…もし待てなかったら早く帰ってくださいね」

「うん、図書室にいる」


そう言うとヒラヒラと手を振って、教室に戻ってく。

久しぶりに、話せた…。

話せただけなのに酷く安心して、普通に対応して貰えたことが嬉しかった。

それに、今日一緒に帰ってゆっくり話せる。

きちんとここ最近の気持ちをしっかり話そう。

そう心に決めていた。
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