春、君と恋に落ちる
「桜木、何か良い事あった?」

「え?」


放課後、プリントの整理を生徒会室で私と結城先輩で残ってやっていたら、良い事あった?なんて話しかけられ方をする。


「いや、何か雰囲気がいつもより柔らかいから」


初めて言われた、そんなこと。

雰囲気が変わるとか、表情が変わるとかそんな風に言われることはない。

蒼くん効果?


「実は、最近話せなかった友達とまた話せるようになって。と言っても、話し合いの場を設けて貰っただけなんですけど。」

「それって、いつも会いに来るあの子の事?」


いつも会いに来るあの子…。

はきっと蒼くんのこと言っている。

話し合いができるってだけでこんなにも嬉しい。

浮かれていたのかもしれない。


「はい」


前までは蒼くんと関わってると思われるのが、変に目立ってやりにくかったりした。

最近では、そんなこと気にならないくらい私も蒼くんが居るのが当たり前になってて。

居ないと落ち着かないなんて言う日が来ると思わなかった。
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