春、君と恋に落ちる
考え事をしているとステージから大きな音が鳴った。

ステージの方にライトアップされて中からよく見慣れたメンバーが目に映る。

センターにはマイクを持って歌ってる蒼くん。

私は蒼くんから目が離せなかった。

蒼くんは何かを探すようにキョロキョロと見渡している。

そして、あの日とは逆の位置関係で目が合う。

すると、少しだけ嬉しそうな表情をして笑っていた。

ああやって、楽しそうに何かをしてる姿が眩しい。

やっぱり蒼くんは私には持ってないものを持ってる。

本当に蒼くんは私といて良いのだろうか。

本当に縛り付けていたのは、蒼くんじゃなくて私…？

蒼くん達のライブは一瞬だったように終わってしまう。

見に行けてよかった、結城先輩に感謝しないと。

…結城先輩が待ってる、行かなきゃ。

そんな気持ちで急ぎ足で元の場所に戻る。
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