春、君と恋に落ちる
「結城先輩、お待たせしました!」


案内をしてくれていた結城先輩の元に寄ると、「見れた?」と笑顔で出迎えてくれた。


「はい、格好良かったです」

「…そっか、行かせなきゃ良かった」

「え?」


行かせなきゃ良かったの言葉は笑顔だったけど、声はすごく本音が籠ってた気がした。


「俺も残りの休憩ちょっと貰うね。しばらくよろしく」

「あ、はい。」


様子のおかしい先輩を追いかける訳には行かず、人の減った入口で引き続き案内を続けていた。
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